めぐりたびのススメ(仮) vol1:遊行茶屋店主、カスミちゃん①

DOORzがオープンしてもうすぐ1ヶ月。そろそろ、ずっとやりたかったことを始めようかと。

那須にはDOORzの友人や、芦野のご近所さんをはじめ、ぜひとも出逢ってほしいステキな方がたくさんいます。

これは、そんな那須の人々をオーナー自ら取材し、出逢うための旅を応援する企画。

「めぐりたびのススメ(仮)」

人の数だけ物語があって、 巡り逢いの数だけ物語が生まれるわけで・・・

そんな、巡り逢いが目的の旅もいいのでは?

 

第1回目はDOORzから歩いて5分、『遊行茶屋』の店主、カスミちゃん。

芦野の里づくりプロジェクトチーム『アシノビト』のリーダー(?)でもある彼女。

DOORzにとっては、家族に近いくらいの友人です。

 

アサミ(以下、ア):まずは、このお店のコンセプトをお願いします。

カスミ(以下、カ):コンセプト!?えっと・・・ここはまちの農林振興課が16年前に、地元の人たちと一緒に建てた建物です。隣が農産物直売所組 合になっていて、わたしもその組合に入っていて、地元の人たちと芦野を盛り上げるべく、お店をやっております・・・

カスミちゃん・・・緊張気味でかなり堅いコメント。気にせず、続けます・・・

ア:遊行茶屋という名前は?

カ:すぐ近くに遊行柳という史跡があるので、お客さんに窓から見える芦野の風景を眺めて、ひとやすみしてほしいと思い、遊行茶屋にしました。

ア:では、お料理のこだわりは?

カ:地元の食材をメインに使うということと、できるだけ地元でまかなえる最小限のもので、地元の方にも観光でいらした方にも喜んでもらえるようなものをと思い、季節の野菜を使ったカレーと、父が打ったうどんをメインにお出ししています。

私が芦野に来るきっかけにもなった、アシノビト。その活動についても聞いてみました。

ア:アシノビト発足の呼びかけ人はカスミちゃんだけど、そもそもどういう思いで立ち上げたの?

カ:はじめは那須町の『芦野観光化策定事業』というのが始まり、これからまちづくりをするということで、若い人たちで考えているイメージを地元の人にも伝えたかったし、地元の人と一緒につくりたいと思ったのがきっかけかな。

それで、みんなで思い描く未来を話しているうちに、自分たちでできることからやっていこうという話になって。

ア:ふんふん。そうだったね。

カ:でも今にして思えば・・・

ア:今にして思えば?

カ:現在芦野でまちづくりの活動をしているのは、『芦野里づくり委員会』という組織だけど、私たちアシノビトは単に、次のバトンを渡されたのかなという気がしてるのね。

時代時代でまちづくりのやり方も違うし、社会の動きも違う。原発事故もあり、いろんな状況が変化した中で、新しい芽が出てきたのがアシノビトなんじゃないかなって。

基本的に、里づくり委員会が大切にしてきた芦野の景観を守りながら、地域をよくしたいという考え方は代々あったと思うし、綿綿と受け継がれてきたんじゃないかなというのを、最近感じてるよ。

ア:なるほど・・・。これからのアシノビトの展開については、どう思う?

カ:私は、アシノビトは人と人を繋げる役目になっていくのかなと思っていて。

アシノビトはそれぞれ個性があるでしょ。英語を話せる人もいるし、ゲストハウスをやってる人もいるし、お菓子を作れる人もいるし。それぞれの特技を芦野という舞台を活かして、花ひらかせていきたいね。

ア:うんうん。

カ:そういったことを発信していけば、芦野で新たな出逢いがうまれるんじゃないかと。たとえ大きなものを造らなくたって、まちは元気になっていくよというのを、見せられたらいいな。

あと、どこまでできるかわからないけど、最終的には自分たちで自給できるものを増やしていきたいと考えてる。

ア:というのは?

カ:衣食住に関して、自分たちは生まれたときから既製品に囲まれているけど、地元の人の中にはたくさん技を持っている人たちがいるので、教えてもらいながらいろんなものを作っていけるかなと。

それぞれが作ったものをうまく地域の中でまわして、お金に頼らなくてもある程度は生活できる。そんなことを、仲間を増やしながら芦野から広げて、他の地域とも協力しながらできたらいいなぁと考えています。

 

芦野の未来について、いろいろと考えているカスミちゃん。まちづくりに関わるようになる前の、彼女の過去を紐解いていきます。

ア:カスミちゃんは、いつからまちづくりに関わるようになったの?大学ではずっと絵を勉強してたんでしょ?

カ:いやー、油絵科だったんだけど、結局は技術の世界であって、写真もあり、映像もあり、立体もあり、何でもありな感じになってて。半分くらいの人しか絵を描いてなかったと思う。私もだんだん、絵を描くってなんなんだろう、自分が何を描きたいのか、何を表現したいのか、何を伝えたいのか、東京にいてあやふやになってきちゃって。それよりももっと人とつながる活動がしたいと思って、ひとりひとりアトリエをもらえるんだけど、そのアトリエを食堂にしたの。それが、「大平食堂」のはじまりで。

ア:大学の中にあるの?

カ:そう。大学の中にアトリエを改造して食堂を作って、350円ランチっていうのをやってて。普段自分たちは、油絵科の人としか話さないんだけど、地域の人たちもアトリエにくるようになっちゃって。食を介せば、アートの人だけでなく、外の人ともつながれたの。

ア:なんで絵からお料理のほうにいったの?それは自然な流れ?

カ: なんかね、農家さんだったり、その野菜を使って料理を作る人っていうのは、ひとつの空間芸術というか、アーティストだなって、大学時代に気付いたんだよね。要するに「つくるひと」はみんなアーティストで、大工さんも、洋服作る人もみんな。だから、美術館に飾られている絵だけがアートだとは思えなくて。それよりももっと生活や暮らしに密着したもので極めていくことができれば、絵にこだわる必要はないなと。

ア:うんうん。

カ:それと「食」ってすごく重要で、自分の身体に入ってくるものだし、毎日のことでしょ?だから、何を食べて生きていくかっていうことに、もっと向き合った方がいいんじゃないかって。

大学にいたときに、お菓子だけとか、コンビニのおにぎりばっかりで生活してる子もいて、それが精神をおかしくしてる部分もある気がしてね。実際、友達が二人自殺してるんだけど、私が心をこめた食事をその子たちに食べさせてたら、もしかしたら死ななかったんじゃないかって、ふと思うときがあって。だからみんなにも、食べることにもっと興味をもってほしいし、大事にしてほしいなと思っています。

 

めぐりたびのススメ(仮) vol1:遊行茶屋店主、カスミちゃん②へ続く

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